ねこ in Parallel World

正直、アニメの黒執事は1期も2期も何を伝えたかったの？
1期はオリジナルストーリーの質が最悪だった。
2期はアニメオリジナルキャラクター達だけがめでたしめでたし。

2期後半、信じていたクロードに裏切られ殺されたアロイスに
このままでは可哀相過ぎるからどうにかしてやれよとは思いましたよ？
その後のクロードのシエルに対する全ての行動に虫唾が走りました。
製作者側が用意した「笑う場面」も、余計に怒りがこみ上げるだけでした。

おちょくっとんのか、と。

シエルの体をのっとったアロイスはハンナとある契約を交わす。
どちらか一方の悪魔が倒れた時、ハンナを殺せばシエルは生き返る、と。

倒れて欲しいと願った悪魔はクロードだったのだろう。

思惑通りセバスチャンに敗れたクロードは
「トランシー家の執事」の言葉を最後に息絶えた。

ハンナの中にあるルカの魂と再会し、
ハンナに愛され、最後にはクロードの心も戻ってきた。
なのにアロイスは、自分だけ幸せになってシエルを悪魔に変えた。


セバスチャンとシエルの契約は
シエルの両親を殺した相手に復讐し、
魂を食らうその日までシエルに仕え続ける事。

両親の敵である天使アンジェラを倒した時、シエルの復讐は完了した。

本来なら1期の最終回で
契約を全うし、魂を食らうその至福の時を迎えるはずだった。

それなのに･･･あんな結末って酷すぎるじゃないか。


ファントムハイヴ邸での最後の朝。
いつものようにセバスチャンがシエルを起こす。
眠たそうに瞳をこする手の爪は黒く染まっていた、セバスチャンのように。

いつものように朝の紅茶を用意し、慣れた手つきで淹れるセバスチャン。
しかしティーポットからは一滴も紅茶は出なかった。

いつものように空っぽのティーカップをシエルに差し出す。
さも当たり前のように口をつけるシエルは紅い悪魔の眼をしていた。


･･･悪魔には人間の食べ物の味など分からない。
･･･悪魔に分かるのは人間の魂の味だけ。

シエルにはもう紅茶の味も分からない。
だから淹れる必要もないのだ。


セバスチャンは今まで関わった全ての人たちに黒い箱を手渡して屋敷に戻り
シエルはファントムハイヴ家の家紋である指輪を置いたまま部屋を出る。
セバスチャンの用意した馬車の前でメイリン、フィニアン、バルドが待っていた。

3人の静止も聞かず馬車に乗り込むシエル、屋敷を去る2人。

残された3人が振り返ると、セバスチャンが付けていた執事長のピンを
胸に付けたタナカさんが悲しそうに佇んでいて･･･みんな泣いてた。

黒い箱の中身はファントムハイヴ社のキャンディと
シエルが13年の生涯を終えた事を知らせるカードだった。

シエルは呪縛から解き放たれ、セバスチャンは永遠の呪縛を得た。
悪魔になる前のシエルとの契約･･･、
悪魔になった今それは永遠に叶わぬものとなったわけだ。

2人がどこへ行ったかは知らない、だけど永遠に離れない事だけは分かる。

でも･･･こんな終わり方ってないよ･･･。
アニメオリジナルキャラクター達が幸せに終わったのは良かったと思うよ？
でもセバスチャンとシエルはどうなの？
シエルの記憶を奪われたセバスチャンは取り戻す為に戦えど邪魔され
シエル自身を奪われる屈辱を味わい、
大切に守ってきたシエルの汚れなき魂を汚され、
半分操られた状態のシエルに「二度と近づくな」と命令されて深く傷つき
ようやく全てを終わらせてシエルを取り戻したと思ったら悪魔になっていて
魂を食べられないどころか永遠に縛られ続けるなんて･･･どうしてそうなるの？

正直、1期2期共にアニメのシナリオライターさんには失望しました。
こんな事ならアニメ化しないで欲しかった。
アニメ化するならするで原作を忠実に再現して欲しかった。
ぶっちゃけアンおばさんの事件がアニメの最終回でよかったじゃん！？
凄く素敵な原作なのに･･･あんまりです、酷すぎる･･･こんなのって、ないよ･･･。